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想像を超えるアイデアソース

サプライズを創出し続ける人々の
想像を超えるアイデアソースをご紹介します。

2022年06月15日

清水サテライト 山本 実李さんのアイデアソース

第八十二回


想像を超える「忍耐のその先」

登山
山登りの話をします。

登山とは山に登る事自体を楽しむスポーツだと定義されておりますが、動作の基本は右左右左と連続で足を前方に出す繰り返し、
命知らず達のホットスポットに挑まなければ地味な運動で、ハットトリックもスリーポイントもありません。
むしろ競う相手がいません。一斉にスタートして、早かろうと遅かろうと頂上まで到達できれば勝ちですし、
足が痛くなって引き返したら「ナイスジャッジ!」危険察知力で勝利です。
会社の同僚に誘って頂いたことをきっかけに、ゆとり世代ど真ん中の私は見事にハマりました。

北アルプスの常念岳は標高2,857mの百名山でコースタイムは10時間です。
金曜の仕事を終えたらシャワーを浴びて出発、早朝5時前に登り始めました。ヘッドライトで足元を照らすものの辺りは真っ暗、時折草むらで何かが動く音や思いがけない水溜りを足の裏で感じると、「もう帰りたい」と後悔の気持ちでいっぱいになります。
なぜか憂鬱な出来事ばかり思い出し、足取りが重くなります。
2時間ほど経つと、徐々に辺りが明るくなり見事な朝焼けを見ることができます。私もそれまでとは打って変わって「早く頂上が見たい」と胸が高鳴ります。仲間との会話も増えて、「来てよかった」と決まって楽しい山行になるのでした。

高い山の中腹にいる時ほど、一生懸命に登っている時ほど、冷静に考える事が難しくいま自分の置かれている状況が永遠に続くのではないかという気分になります。
事前に登山計画を立てたのならば一本道の上り坂、頭の中を煮詰めても先へは進めません。
山あり谷あり、そんな時は無心で足を「右左右左...」と前に出したこれまでの山行を思い出すようにしています。