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想像を超えるアイデアソース

サプライズを創出し続ける人々の
想像を超えるアイデアソースをご紹介します。

2016年07月01日

iDshop熊本 三笠 文治さんのアイデアソース

第十四回


想像を超える「一途さ」

日々無駄なく生きるとは
まず、好きな作家は誰かと聞かれたら間違いなく【藤沢周平】さんの名前を挙げます。歴史小説が好きな私は、藤沢周平・池波正太郎・司馬遼太郎の本を毎晩お酒を飲みながら読むのが何よりの楽しみです。

但し、今回ご紹介させて頂く本は司馬遼太郎著の『新選組血風録』になります。

本当は一番好きな藤沢周平さんの本をご紹介したいのですが、この企画の趣旨が自分自身を突き動かすきっかけになった本や映画、音楽等の紹介という事でしたので、四半世紀前まで推理小説好きだった私が、歴史小説・・・しかも若い頃には苦手だった幕末~維新の話にのめり込むきっかけとなった本を紹介させて頂きます。
映像にもなりましたので、内容をご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、題名どおり新撰組に関する本です(因みに私は、原作を超える映像は無いと思っていますので好きな本が映像化されても見ません)。新撰組と言えば近藤・土方・沖田等有名な隊士が数多く、逸話も沢山残っていますが、この本に出てくる志士の多くがそこまで有名ではない、もっと言えば、殆ど知られていない人たちの話で構成された1冊でもあります(因みに私が一番好きな新撰組隊士は永倉新八です)。
※同じく司馬遼太郎が、新撰組と敵対する勤皇方の視点から描いた『幕末』も同時に読まれると更に楽しめます。

幕末・維新といえば今から約150年前の話になります。150年前といえば、かなり昔の話のようですが、ご年配の方からすると(私もそうですが)おじいちゃんおばあちゃんの更におじいちゃん・おばあちゃんが子供の頃の話といえば、けっこう身近に感じませんか(笑)?
当時は佐幕派と勤皇派に分かれ、それぞれが自己の信念に従って、文字通り命懸けの活動をしていました。この時代、突如として現れた異国からの脅威と戦い、また日本人同士でも刀を抜き合いながら、自分が斃れても異国から国や家族を守ろうとした人達が確かに居ました。そしてそのことが、現在に繋がっている事を考えると感慨深いものがあります。
150年前の志士の面々は、既に世界を見据えて、当時日本に約300あった国(藩)を1つの国家と考えるようになり、日の本の国を諸外国から守る事を真剣に考え行動していた訳です。現代と違い、通信手段は勿論、生活の殆どを人力に頼っていた時代です、主義主張の違いなどが発生しても当たり前なのかなと思います。当時の武士(百姓・町人上がりの武士も居ましたが)達は、自分たちの主張以外は認めない、即ち、相容れなければ切り殺すわけですが、どちらが正しくどちらが悪いというのは、現代に生きる私には中々判断が付きません。
但し、佐幕派・勤皇派を私の個人的な好みで言いますと、日本人ならではの判官びいきなのか、佐幕派により多くの感情移入をしてしまいます。坂本竜馬などを擁する勤皇派も素敵な面々が多いのですが、どうしても最終的に敗れた佐幕派を応援したくなってしまう自分がいます。

最後になりますが、2番目に好きな池波正太郎さんの本に良く出てくる文章を紹介したいと思います。
“人は母の胎内から生れ落ちた瞬間からいつか死ぬ事が決まっている”刹那的に生きろとか、悲観的ということではなく、日々いつか必ず来るであろう死を考えながら真剣に生きていけば悔いは無いという意味だと捉えています。
但し、「君は毎日を無駄なく真剣に生きているか」と問われれば・・・私は黙ります。

新選組血風録

司馬遼太郎
出版社
角川書店
価格
880円+税