あなたの「想像を超える」エピソード 受賞作品公開
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- 優秀賞 「喪中の元日に届いた手紙」
- 優秀賞
- 兵庫県 足立有希様
- 「喪中の元日に届いた手紙」
今年の正月は喪中であるため、家族一同静かに元旦を迎えた。
お祝いの言葉も、お年玉も、おせち料理も年賀状もなし。突然この世を去ってしまった父の不在をただ悲しんでいた。
ところが、そんなしんみりした家の中に突如母の興奮した声が響き渡った。
「お父さんから手紙が来た~っ!」
なんと亡くなった本人である父から手紙が届いたのである。
わけも分からず、封を開けると見慣れた父の文字。
それは、『15年後に手紙を出そう』という地元のイベントに父が参加して配られたものだった。
15年前に父が書いた手紙。
中には、母への感謝の気持ちと、家族への想いがたくさん綴られていた。照れくさがり屋で普段はなかなか口にしなかった言葉。それが、時を超えて私たちの心に飛び込んできた。
一番必要なときに、必要なものを贈ってくれるなんて・・・やっぱりお父さんってすごい。
泣きながら何度も手紙を読み返す。
父の素敵なサプライズで、家族全員とてもあたたかい気持ちに包まれた。